素晴らしい液晶ペンタブレット「Wacom One 14 (DTC141W0)」が先日発売されましたね。
USB-Cケーブル一本でサッと繋がり、どこにでも持ち運べる薄さと軽さ。この手軽さは、まさに現代のクリエイターが求めていたものですよね。ただ、この最高の相棒には、たった一つだけ、私たち自身で解決しなければならない課題があります。そう、「スタンドが付属していない」という点です。
※Wacom One 14がどう進化したのか、その魅力についてはこちらの記事で詳しく解説しています。


机に平置きしたまま描き続けると、気づけば首や肩がバキバキになる、なんて経験はありませんか?不自然な姿勢は、体の負担になるだけでなく、せっかくの集中力や創造力まで削いでしまいます。
スタンドは、決して贅沢品ではありません。それは、私たちの体を守り、創作活動の質をぐっと引き上げてくれる「必要不可欠な投資」であり、最高のパートナーなんです。
このガイドが、膨大な選択肢の中から「これだ!」と思える一台を見つけ出す手助けになれば嬉しいです。カフェで気軽に使えるポータブルなものから、アトリエの主役になる本格的なもの、そして究極の作業環境を実現するモニターアームまで。あなたの創作スタイルと予算に寄り添う、最適な答えがきっと見つかるはずです。
この記事で分かること📖
☕️ 外出先での最適解:予算5,000円以下で、携帯性と安定性を両立させるポータブルスタンドの選び方が分かります。
🏠 アトリエの最強装備:強い筆圧にもびくともしない、岩のような安定感を誇るデスクトップスタンドを比較検討できます。
🚀 究極の環境構築術:Wacom One 14を「浮かせる」モニターアーム活用法と、VESAマウントがない問題を解決する3つの具体的な方法を学べます。
💡 未来への賢い投資:一台でスタンドとVESAマウントアダプターの二役をこなす、隠れた名品が「変身」する仕組みとその活用ステップが理解できます。

なぜWacom One 14にスタンドは「必須」なのか?

まず、根本的な疑問からお話しさせてください。「なぜ、そもそもスタンドが必要なの?」と。答えはシンプルで、「自分の体と、安定した作業効率のため」です。
机に平置きした液タブを覗き込む姿勢は、知らず知らずのうちに首や肩に大きな負担をかけています。これが毎日続けば、慢性的な凝りや痛みの原因になりかねません。クリエイターにとって体は資本。その資本を損なうような環境で創作を続けるのは、あまりにもったいない話です。
適切なスタンドを使って、液タブに角度をつける。たったこれだけで、視線が上がり、背筋が伸び、とても楽な姿勢で描けるようになります。これは、長時間集中して最高のパフォーマンスを発揮するための、基本中の基本と言えるでしょう。
角度をつけた液晶タブレットの姿勢が、どうもしっくりこない…と感じる方もいらっしゃるかもしれません。長年の描き方を変えるのは、慣れないうちは大変ですよね。
しかし、もしあなたがこの先も長くクリエイターとして活動していきたいなら、今のうちに作業姿勢を見直すことを強くおすすめします。
多くのプロがインタビューで語っていますし、私自身の経験からも断言できますが、体を壊してから治すのは、予防するよりもはるかに大変です。
まずは相棒を知る:Wacom One 14の身体測定
スタンドを選ぶ前に、私たちの相棒であるWacom One 14の正確なサイズ感を把握しておくことが、すべての基本になります。
Wacom One 14の正確なサイズ
- 本体の大きさ:幅336mm × 奥行201mm × 厚さ10mm
- 重さ:750g
- 描ける範囲:309mm × 174mm
横に長く、とても薄くて軽い。この特徴が、スタンド選びの安定性にどう影響するかを考えるのが最初のステップです。
なぜスタンドが付属していないの?
ここで少し裏話を。Wacom One 14にスタンドが付属していないのは、ワコムの意図的な戦略だと考えられます。この製品は39,800円という価格で、多くの人にデジタル制作の門戸を開くことを目指しています。スタンドを別売りにすることで、本体の初期購入価格をぐっと抑え、学生さんや趣味で始める方にも手に取りやすくしているんですね。
また、ワコム史上「最薄・最軽量」と謳われるデザインを実現するため、内蔵式のスタンド機構よりも携帯性を優先した、という側面もあるでしょう。
つまり、「快適な環境づくりのためのコストと選択は、ユーザーである私たちに委ねられている」ということです。これは、私たち自身が自分の創作スタイルに最適な環境を自由に構築できるチャンスでもあります。
あなたに合うスタンドを見つけるための4つの質問
さて、ここからはあなたにぴったりの一台を見つけるための自己診断です。深く考えずに、直感で答えてみてください。
- どこで描くことが多いですか?:自宅の決まった机?それとも、カフェや図書館など、日によって場所が変わりますか?
- どんな風に描きますか?:サッと軽いタッチでスケッチすることが多いですか?それとも、芯のある線画や、何度も色を重ねる厚塗りのように、しっかりと筆圧をかけて描くスタイルですか?
- スタンドにかけられる予算はどれくらいですか?:例えば、3,000円くらい?7,000円前後?それとも10,000円以上?
- 一番大切にしたいことは何ですか?:とにかく身軽に持ち運べること?ガッチリと揺るがない安定感?それとも、体の負担を極限まで減らすための自由な角度調整ですか?
この4つの答えが、あなたにとっての「最適解」を見つけるための道しるべになります。
注目ポイント📌
✍️ スタンドは健康への投資:楽な姿勢は、首や肩の負担を減らし、クリエイター生命を長く保つために不可欠です。
💰 スタンド別売りの理由:本体価格を抑え、より多くの人に製品を届けるためのワコムの戦略。私たちには選択の自由が与えられています。
🧭 自分を知ることが第一歩:主な制作場所、描画スタイル、予算、そして何を最優先するかが、スタンド選びの最も重要な判断基準になります。
比較の基準点:Wacom公式スタンド(ACK649Z)の実力は?
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さて、たくさんの選択肢を見ていく前に、まずは公式、つまりワコム自身が用意した「お手本」を見てみましょう。それが「Wacom(ワコム) One スタンド ACK649Z」です。
メーカー推奨の唯一のスタンドなので、互換性やデザインの一体感は間違いありません。ただ、気になるのはその価格。公式ストアでは7,480円(税込)で販売されています。これは、タブレット本体の価格を考えると、決して安価とは言えないかもしれません。
公式ならではの安心感と、価格への疑問
このスタンドの最大の長所は、何と言っても「完全な互換性の保証」という安心感です。「難しいことは考えず、とにかく間違いのないものが欲しい」という方にとっては、これ以上ない選択肢でしょう。デザインもシンプルで、Wacom One 14の美しい外観を邪魔しないように作られています。持ち運びも考えるなら最適解です。
一方で、冷静に市場を見渡してみると、この価格は「プレミアム価格帯」に位置します。例えば、質感の良いアルミ合金で作られ、より広い角度調整が可能なスタンドが5,000円以下で見つかることも珍しくありません。また、公式スタンドは寸法が約100mm × 50mmと非常にコンパクトで、そのミニマルなサイズ感が、強い筆圧をかけた際の安定性に少しばかり疑問を投げかけます。
そう考えると、公式スタンドの価格には、「ワコム」というブランドへの信頼料が含まれていると解釈できます。機能性だけで判断するのではなく、その安心感に価値を見出せるかどうかが、選択の分かれ目になりそうです。
一方で、機能面と価格を冷静に見てみましょう。商品画像を見て「これがスタンド?」と驚いた方もいるかもしれませんが、これはノートPC用にも見られる、少しだけ角度をつけるためのシンプルな構造です。実際、同様の形状のスタンドは安価な製品も多く、より広い角度調整が可能なスタンドが1000~2000円程度で見つかることも珍しくありません。例えば、似たようなコンセプトのノートパソコンスタンドである、サンワサプライのPDA-STN42BKは1500円前後で購入可能です。
もちろん、公式スタンドの耐久性や質感、滑り止めの性能は最高品質です。しかし、構造上、細かい角度や高さの調整ができないという機能的な制約もあります。タブレット本体(39,800円)との価格バランスを考えると、コストパフォーマンスを重視する方には推奨しづらい選択肢かもしれません。

注目ポイント📌
👑 公式の強み:互換性は100%保証。デザインの統一感を重視するなら最高の選択肢です。
💸 価格はプレミアム:7,480円という価格は、機能面で競合するサードパーティ製品よりも高め。ブランドへの信頼料と考えるのが妥当です。
⚖️ 評価のモノサシ:この公式スタンドが、これから紹介する他のすべてのスタンドの価格と性能を比較するための「基準点」になります。
【予算5,000円以下】軽快さが魅力のポータブルスタンド
ここからは、携帯性と価格を重視するクリエイター仲間に向けたセレクションです。学生さんや、趣味でイラストを描く方、そしてカフェや旅先をアトリエに変える「デジタルノマド」なあなたにぴったりの選択肢が見つかるはずです。
このカテゴリで重要になるのは、「持ち運びやすさ」と「描くときの安定感」のバランスをどう取るか、です。
アイデアを逃さない「貼付タイプ」:MOFT X タブレットスタンド
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「とにかく荷物は少なく、身軽でいたい!」という方に真っ先に紹介したいのが、この「貼付タイプ」のスタンドです。代表的な製品が「MOFT X タブレットスタンド」ですね。
これは、液タブの背面に直接貼り付けて使う、非常に薄くて軽いスタンドです。使わないときはフラットに収納でき、存在をほとんど感じさせません。厚さはわずか4mm前後、重さも140g弱なので、Wacom One 14の携帯性を全く損なわないのが最大の魅力です。
注意事項📌
ただし、アーティストとして使う上では注意点もあります。構造上、どうしても筆圧をかけると少しぐらつくことがあります。特に、スタンドで支えられていない側に体重をかけると不安定になりがちです。動画を見たり、軽いタッチでアイデアスケッチをするのには最適ですが、筆圧を多用する本格的なデジタルペインティングや線画には少し心許ないかもしれません。角度や高さ調節を細かく行えない点も注意が必要です。

携帯性と安定性の「いいとこ取り」:アイリスオーヤマ NPS-P

MOFT Xの究極の携帯性は魅力的だけど、もう少し描画時の安定性が欲しい。かといって、本格的なデスクト-ップスタンドを持ち運ぶのは少し違う。そんなジレンマを抱えるクリエイターに、まさに「ちょうど良い」選択肢があります。それが、私たちの生活に身近なブランド、アイリスオーヤマが手掛ける「ノートパソコンスタンド NPS-P」です。
このスタンドは、軽量なアルミ合金製で、スリムに折りたたんで付属のポーチに収納すれば、カバンの中にすっきりと収まります。携帯性は抜群でありながら、7段階のしっかりとした角度調整機能を備えており、描画時に最適なポジションを見つけることができます。
MOFT Xのような貼付タイプと比較して接地面が広く、構造的に安定しているため、ある程度の筆圧をかけてもしっかりとWacom One 14を支えてくれます。それでいて2,000円前後で手に入るという、驚異的なコストパフォーマンスも大きな魅力。まさに、携帯性と安定性、そして価格のバランスが非常に高いレベルでまとまった、優等生的な一品と言えるでしょう。

作業に最大の安定感を。高級感があるけど安価なアルミ合金スタンド

「家でしか作業しないので持ち運びやすさは不要、求めるのは描くときの安定感」というあなたには、「アルミ合金スタンド」が最適解かもしれません。
様々なブランドから、たくさんの種類が出ています。これらは一般的に、軽量ながらも剛性の高いアルミニウム合金や、耐久性のある樹脂で作られています。MOFTのような貼付タイプと比べると安定感は格段に上で、デスク上で使用するなら最適な選択肢です。
折りたたんで持ち運ぶことも一応できますが、サイズが大きく重量もありますので、日常的に持ち歩くのには不向きです。
選ぶ際のコツは、素材と土台のデザインに注目すること。しっかりとした重みのあるアルミ合金製で、デスクに接する面に広いシリコンパッドが付いているモデルは、描画時の安定性が非常に高いと評価されています。プラスチック製や、デザイン性重視で土台が小さいもの、スマホやミニタブレット用は、安定せず描いたときに滑ったり、ぐらついたりすることがあるので注意が必要です。
一番軽い、一番小さいモデルを選ぶのではなく、たとえ数百グラム重くなったとしても、高品質な素材と安定した設計のモデルを選ぶ方が、結果的に創作のストレスは格段に減るはずです。
注目ポイント📌
🚀 携帯性MAXなら「貼付タイプ」:MOFT Xは、究極の薄さと軽さを求める人に。ただし、本格的な描画時の安定性は割り切りが必要です。
⚖️ バランスの最適解は「折りたたみタイプ」:Lomicallのようなアルミ合金製のスタンドは、手頃な価格で携帯性と描画安定性の両方を高いレベルで満たしてくれます。
💎 素材が安定性を決める:選ぶときは、軽さやデザインだけでなく、しっかりとした重みと滑り止めのシリコンパッドがあるかを確認するのが、失敗しないコツです。


【予算5,000円~10,000円】アトリエの相棒になる高安定性スタンド
自宅やオフィスに専用の作業スペースがあって、「描いているときの安定感には一切妥協したくない」というアーティストには、このカテゴリのスタンドが最高の相棒になります。携帯性は二の次、その分、重厚な金属製のボディと堅牢な作りで、あなたの筆圧をどっしりと受け止めてくれます。
一度決めたら動かない「不動の要塞」:BoYata ノートパソコンスタンド

「安定性の王者」と呼ぶにふさわしいのが、「BoYata ノートパソコンスタンド」です。多くのレビューでその圧倒的な安定性が絶賛されていますが、最大の特徴は、角度調整に「かなりの力が必要なほど硬いヒンジ」にあります。
一見するとデメリットに聞こえるかもしれません。しかし、私たちアーティストにとっては、これ以上ない美点なのです。なぜなら、一度ベストな角度を決めてしまえば、どれだけ強い筆圧をかけようと、体重を預けようと、スタンドがびくともしないことを意味するからです。この仕様が、無限の角度調整と高い固定力を両立させています。
ミリ単位の精度が求められるプロレベルの線画や、情熱的にストロークを重ねるデジタルペインティングにおいて、この「動かない安心感」は絶大な信頼をもたらしてくれます。その代わり、頻繁に角度を変えたり、持ち運んだりするのには向いていません。まさに、一つの場所に腰を据えて創作に没頭するためのスタンドです。

柔軟な調整が光る「万能選手」:Parblo PR100

もう一つ、このカテゴリで注目すべきなのが「Parblo PR100」です。こちらも非常に頑丈な作りで安定性は抜群ですが、BoYataとはアプローチが異なります。
PR100は、15度から90度という広い範囲で、段階的に角度をカチッと固定できる「ラッチシステム」を採用しています。BoYataのような力は不要で、簡単かつ確実に角度を変更できるのが大きな魅力です。16インチクラスのディスプレイにも対応する設計なので、750gのWacom One 14を支えるには十分すぎるほどの性能を持っています。

BoYataとParblo、あなたに合うのはどっち?
- BoYataが向いている人:一度「これだ!」という完璧な角度を見つけたら、あとはひたすら描くことに集中したいタイプ。作業中にスタンドがズレるというストレスを完全に排除したい人。
- Parbloが向いている人:描画作業だけでなく、資料を見たり、ビデオ会議に参加したりと、一つの机で様々な作業をこなし、その都度ディスプレイの角度をサッと変えたいタイプ。高さ調整が不要。
もう一つの選択肢:Artisul A-Stand
比較対象として、Artisul A-Standという製品も存在します。こちらも金属とゴムで作られた堅牢なスタンドですが、単体での販売はあまり見かけず、主に同社の液晶タブレットに付属していることが多いようです。執筆時はAmazonでも品切れ状態でした。溝にはめ込んで角度を調整するシンプルな「溝はめ込み式」で安定性も高いですが、選択肢としてはBoYataやParbloの方が手に入れやすいでしょう。
注目ポイント📌
🏰 安定性こそ正義なら「BoYata」:非常に硬い「高トルク摩擦ヒンジ」がもたらす「不動の安定感」が魅力。筆圧が強いアーティストにとって最高の選択肢です。
🔧 柔軟な角度調整なら「Parblo PR100」:「ラッチ式」で簡単かつ確実に角度を変更可能。多様な使い方をする人に最適です。
🤔 選び方のカギは「ヒンジの仕組み」:無段階でガッチリ固定するBoYataか、多段階で素早く調整するParbloか。自分の作業スタイルを想像することが、ベストな選択に繋がります。
【究極の作業環境】モニターアームで液タブを「浮かせる」という選択肢
さて、ここからは体への優しさを極めたいプロフェッショナルや、最高の作業環境を追求するすべてのクリエイターに向けた、究極の選択肢です。それが、モニターアームの導入です。
モニターアームを使えば、Wacom One 14をデスクから完全に「浮かせる」ことができます。これにより、ディスプレイを完璧な目の高さや角度に自在に調整でき、縦置き・横置きの回転も思いのまま。何より、液タブの下のスペースが完全に解放され、デスクを広々と使えるようになります。これは、一度体験すると元には戻れないほどの快適さです。
VESAマウントがない壁をどう乗り越える?
しかし、ここで大きな問題が立ちはだかります。Wacom One 14には、モニターアームに接続するための「VESAマウント」と呼ばれるネジ穴がありません。
でも、安心してください。クリエイターコミュニティの知恵と、サードパーティメーカーの努力によって、この問題を解決するための効果的で安全な方法がいくつも存在します。
解決策A:ガッチリ挟み込む「クランプ式アダプター」

これは、タブレット本体を上下、あるいは左右から挟み込むように固定するアダプターです。背面にはモニターアームに接続するためのVESAプレートが付いています。
代表的な製品は、サンワサプライの「 iPad・タブレット用VESA取付けホルダー CR-LATAB20BK」です。この製品は、149mmから253mmの範囲の機器を挟めるため、奥行き201mmのWacom One 14に完璧に対応しており、非常にがっちりと、安全にタブレットを保持してくれます。
唯一の欠点は、クランプの一部がタブレットの前面ベゼル(画面の枠の部分)に少しだけかかってしまうこと。描画領域には影響しませんが、見た目の美しさを損なうと感じる方もいるかもしれません。

解決策B:スマートに載せる「トレイ式アダプター」

こちらは、モニターアームに取り付ける平らな「受け皿」のようなアダプターです。タブレットは、このトレイの上にポンと置くだけ。
エレコムの「モニターアーム マウントトレイ DPA-RP02BK」(幅240mm~420mm対応)やサンワサプライの「MR-VESA15」(幅290mm~450mm対応)といった製品がこれにあたり、どちらも幅336mmのWacom One 14に適合します。
この方法の最大のメリットは、画面やベゼルを一切遮ることなく、タブレットのクリーンな外観を保てる点です。ただ、クランプ式に比べると安全性は少し劣り、強い衝撃などがあった場合に落下のリスクがゼロとは言えません。

裏ワザ級の発見:Parblo PR100がVESAマウントに「変身」する
そして、ここに「第3の選択肢」があります。これは、このガイドの中でも特に重要な、まさに「裏ワザ」とも言える情報です。
先ほど紹介した高安定性スタンド「Parblo PR100」。実はこの製品、スタンドの脚(調整機構)を取り外すと、背面のプレートがそのままVESAマウントアダプターとして機能するようになっているのです。
これが何を意味するか、お分かりでしょうか?
つまり、Parblo PR100は単なるスタンドではなく、スタンドとVESAアダプターの2つの役割をこなせる「変身ロボ」のような製品だということです。
これにより、賢いステップアップが可能になります。
- まずは、クラス最高のデスクトップスタンドとしてPR100を購入し、その安定性を享受する。
- 将来、より本格的な作業環境を求めてモニターアームに投資する際、追加でアダプターを購入する必要がない。
- PR100の脚を外し、プレートを直接モニターアームに取り付けるだけで、シームレスに環境をアップグレードできる。
この事実は、Parblo PR100が多機能で、将来性のある製品として際立たせています。長期的な視点で機材投資を考えているクリエイターにとって、これ以上ないほど賢い選択と言えるでしょう。
モニターアーム自体の選び方
アダプターが見つかったら、次はアーム本体です。難しく考える必要はありません。チェックするポイントは主に3つです。
- VESA規格:75x75mmと100x100mmの両方に対応しているものが一般的で、これなら今回紹介したアダプターはどれでも接続できます。
- 耐荷重:Wacom One 14(750g)とアダプター(約1kg前後)を合わせても合計で2kg程度。ほとんどのモニターアームはこれよりずっと重いモニターを想定しているので、まず問題になることはありません。
- 調整方式:軽い力でスムーズに動かせる「ガススプリング式」と、都度ネジなどで固定する「メカニカル式(手動式)」があります。頻繁に位置を変えるなら、少し高価でもガススプリング式が断然おすすめです。
- 可動範囲:液タブの場合、未使用時に邪魔にならない位置まで移動できるか、可能であればサブモニターとして配置できるか、といった点は重要です。むしろこの点を考慮しないのであれば、わざわざモニターアームを選択する必要はありません。
注目ポイント📌
🌌 究極の快適性:モニターアームは、姿勢を最適化し、デスクスペースを解放する最高の環境です。
🔧 VESA問題の解決策:確実な固定なら「クランプ式」、見た目のスマートさなら「トレイ式」という選択肢があります。
🤖 最高の隠し玉「Parblo PR100」:スタンドとして使え、将来は脚を外してVESAアダプターにもなる「2-in-1」仕様。長期的なコストと手間を考えると、とても賢い選択肢です。
🦾 アーム選びのコツ:VESA規格への対応を確認し、軽い力で動かせる「ガススプリング式」を選ぶと、創作の自由度が格段に上がります。


まとめ:あなたの創作スタイルに寄り添う、最高のスタンドはこれだ

さて、長い旅にお付き合いいただき、ありがとうございました。公式スタンドからポータブルな選択肢、不動のデスクトップスタンド、そして究極のモニターアームまで、様々な角度からWacom One 14の相棒を探してきました。
最後に、あなたの創作スタイルに合わせた、私からの最終的なおすすめを提案させてください。
「デジタルノマド」の学生・趣味のアーティスト向け(予算:4,000円未満)
- 最優秀選択肢:UGREEN タブレットスタンド
高品質なアルミ製折りたたみスタンドは、「手頃な価格」と「描画安定性」の最高のバランスを提供してくれます。安心して創作に集中できるでしょう。 - 代替案:アイリスオーヤマ NPS-P
描画時の安定性よりも、持ち運びできることが最優先であれば、こちらも良い選択肢です。もっと軽い方が良ければMOFT X タブレットスタンドも選択肢に入るでしょう。
「ホームスタジオ」のアーティスト向け(予算:約7,000円)
- 最優秀選択肢:BoYata ノートパソコンスタンド
何よりも「岩のように堅固で揺るぎない描画面」を求めるあなたへ。強い筆圧にもびくともしない剛性は、創作への没入感を極限まで高めてくれます。完璧な角度に一度設定すれば、あとは何も気にせず描くだけです。 - 代替案:Parblo PR100
高い安定性を求めつつ、簡単な角度調整と、将来モニターアームへ移行する可能性も残しておきたいあなたには、こちらが最適です。
「人間工学重視」のプロフェッショナル向け(予算:10,000円以上)
- 最優秀選択肢:モニターアーム + Parblo PR100 の組み合わせ
これは、究極の柔軟性と将来性を手に入れる、とても賢い、未来を見据えた選択です。まずはPR100をクラス最高のデスクトップスタンドとして使い倒し、本格的なアーム環境への準備が整ったら、そのままVESAマウントに「変身」させる。無駄がなく、最高の価値を提供してくれます。 - 代替案:モニターアーム + サンワサプライ CR-LATAB20BK(クランプ式)
将来的なアップグレードは考えず、最初からモニターアームを導入し、何よりもタブレットの落下を防ぐ確実な固定を求める場合には、この組み合わせが最も安全です。

- レバー式の無段階角度調整が可能で、自分の好みの角度にぴったり合わせられます。
- 接地面が広く、重量もそれなりにあるため、簡易スタンドの中では比較的高い安定性を誇ります。
- シンプルで、多くの液タブユーザーに長年愛用されている定番のデザインです。
- 角度調整のみの構造なので、未使用時に畳んでおいても再設定がラクです。
- 簡易スタンドとしては重く、サイズも大きめなので、持ち運ぶのは不向きです。

- 圧倒的な安定感。アルミニウム合金製で重量もあり、ヒンジも非常に固いため、どんなに強い筆圧をかけても揺れることはありません。「動かない」という安心感は絶大です。
- 高さも角度も無段階で調整できるため、自分の体格や姿勢に合わせた完璧なポジションを見つけられます。
- ミニマルで高級感のあるデザインは、Apple製品などが置かれたデスク環境にもよく馴染みます。
- 重いため、完全に据え置き用です。持ち運びは現実的ではありません。
- 未使用時に折りたたむこともできますが、高さと角度の再設定が面倒なため、そのまま置けるスペースが必要です。

- 軽量なアルミ合金製で、スリムに折りたたんで付属ポーチに入れられる抜群の携帯性。
- 7段階のしっかりとした角度調整機能で、自分に合った最適な作業ポジションを選べる。
- ある程度の筆圧をかけてもしっかりと端末を支える、構造的な安定感がある。
- 2,000円前後で手に入る、驚異的なコストパフォーマンスの高さ。
- 255gはスマホより少し重い程度で、持ち運ぶには現実的な重量です。ノートパソコンと液タブ本体を持ち歩く人にとっては誤差でしょう。
- 筆者の私物で滑り止めが一度剥がれたことがあり、耐久性は少し頼りない可能性がある。
- 構造的にも耐久性が高いとは言えない。指や物を挟まないように注意。
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- 圧倒的に軽くてコンパクトな携帯性
- 未使用時の収納が楽。狭いデスクでも場所を取らない。
- 強い筆圧では揺れやズレが気になる
- 角度調整の自由度が低い(段階式)
- 耐久性は価格相応
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- 純正品ならではの一体感と安定性。軽量ながらもしっかりと本体を支え、描画に集中できます。
- MovinkPad 11本体との親和性が高く、デスク上でスッキリとまとまります。
- 軽いので本体と一緒に持ち運べます。
- 価格が他のサードパーティ製品と比較してかなり高価です。
- 角度の調整がほぼできません。
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本記事で紹介する製品情報(価格、仕様、在庫状況など)は、時間の経過とともに変動する可能性があります。この記事は、筆者がクリエイターの視点から情報を収集・整理し、Wacom One 14に最適なスタンド選びの一助となることを目的として執筆したものです。掲載された情報は2025年10月2日時点のものであり、その後の変更が含まれていない可能性があります。また、製品の互換性や安全性に関する記述は、あくまで筆者の調査に基づく一つの見解であり、その完全な正確性や安全性を保証するものではありません。本記事の内容を参照したことによって生じたいかなる損害(機器の破損等を含む)についても、当ブログでは責任を負いかねますことを、あらかじめご了承ください。製品の購入を検討される際は、必ずご自身で公式サイトや販売ページの最新情報をご確認の上、最終的なご判断をいただきますようお願い申し上げます。
📚 記事で紹介した商品一覧
- Wacom(ワコム) One スタンド ACK649Z
- MOFT X タブレットスタンド
- BoYata PCスタンド
- UGREEN タブレット スタンド
- BoYata ノートパソコンスタンド
- Parblo PR100
- サンワサプライ iPad・タブレット用VESA取付けホルダー CR-LATAB20BK
- エレコム モニターアーム マウントトレイ DPA-RP02BK
- ERGOTRON (エルゴトロン) LX モニターアーム


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