【価格対決】XPPen Artist 12 3rd vs Wacom One 14|最新エントリーモデルの「総コスト」と性能差を徹底比較

XPPen Artist 12 3rdとWacom One 14の徹底比較アイキャッチ。コスパ最強のエントリーモデル液タブはどっち?

XPPen Artist 12 3rd」と「Wacom One 14」。
2025年現在、液タブ(液晶ペンタブレット)の導入を考える際、多くのクリエイターが直面するのが「機能とコスパのXPPenか、伝統と信頼のWacomか」という選択です。

かつては「安かろう悪かろう」と言われた海外製メーカーですが、技術革新によりその常識は過去のものとなりました。この記事では、カタログスペックの比較だけでは見えてこない、「実際に購入してプロレベルの作業環境を整えるにはいくらかかるのか」と、「デザイナー視点で見た実用的な体験差」に焦点を当てて徹底的に比較します。

これから液タブを導入する、あるいは買い替えを検討しているあなたが、後悔のない選択をするための判断材料を提供します。

本記事では、2025年11月時点の情報を基に、両メーカーの「最新エントリーモデル」2機種のみを比較対象とします。上位モデル(Proシリーズ等)は対象外です。価格や仕様は変動する可能性があるため、必ず最新情報を確認してください。

【結論】この記事のまとめ

💰 最強のコスパ → XPPen Artist 12 3rd(約3万円でスタンド・全ケーブル同梱)
🎨 色彩と印刷 → XPPen(Adobe RGB 97%・Display P3 97%・ΔE < 1.2でWebも印刷もMacも安心)
🖥️ 広さと品質 → Wacom One 14(14インチの物理的余裕と、178°の広視野角)
🍎 Macユーザー → 古いMac(OS 10.13〜12)ならXPPen一択。WacomはOS 13以降が必須。
💸 コストの注意点 → WacomはHDMI接続に高価なコンバーターが必要で、実質+約2.8万円の出費

この記事で分かること📖
💸 隠れたコスト:本体価格の裏にある「乗り出し価格」の衝撃的な差
🎨 色の真実:Web用(sRGB)と印刷用(Adobe RGB)で何が変わるか
✍️ ペンの進化:数値上の「16K」や「IAF(初動荷重)2g」の意味
📉 信頼性の現在地:導入後の「ソフト代」や「周辺機器」を含めたリアルな出費

なお、本記事は「Wacomとの比較」に特化しています。XPPen Artist 12 3rd単体の詳細なレビューや、詳細をじっくり確認したい方は、以下の記事もあわせてご覧ください。

目次

検証1:実質価格差「2.5万円」の衝撃的な内訳

液タブの価格差を比較するイラスト。本体価格だけでなく、ケーブルやスタンドを含めた「乗り出し価格」の隠れたコストについて。
実は「2.5万円」も違う? 本体価格だけでは見えない、スタンドや変換アダプタを含めた「本当の初期費用」を比較。

液タブ選びで最も注意すべきなのは、表示されている「本体価格」と、実際に使い始めるための「乗り出し価格(初期導入費用の総額)」の違いです。
結論から言えば、この2機種の間には実質2.5万円もの価格差が存在します。

表面上の価格差(約1万円)の落とし穴

まず、公式サイトや家電量販店での価格差は約1万円です。

  • XPPen Artist 12 3rd29,980円(税込)
  • Wacom One 14 (DTC141W0)39,800円(税込)

しかし、Wacom One 14のパッケージは非常にシンプルで、様々なアイテムが含まれていません。

「箱出し」ですぐ使えるXPPen、追加投資が必須のWacom

私が特に強調したいのは、「PCとの接続」と「描く姿勢」にかかる隠れたコストです。

ケーブル接続の課題

  • XPPen:USB-Cケーブルに加え、3-in-1ケーブル(HDMI接続用)も標準同梱されています。PCにUSB-C映像出力がない場合(多くのデスクトップPCなど)でも、追加費用なしで確実に接続できます。また、Android端末接続時に給電が不安定な場合でも、このケーブルの電源用USB端子を使えば安定した補助給電が可能です。
  • Wacom:USB-Cケーブルのみ同梱です。もしお使いのPCが「DisplayPort Alt Mode」に対応していない場合、画面は映りません。HDMIで接続するには、別売りの「Wacom Converter」(公式ストア価格:13,200円)を購入する必要があります。

スタンドの有無

  • XPPen折りたたみ式スタンドが同梱されています。
  • Wacomスタンドは別売りです。液タブを平置きで長時間描くのは首や腰への負担が大きく、長時間の作業には向いていません。スタンドは約2,000円〜6,000円程度の追加出費となります。

純正スタンドは高価ですが、実はサードパーティ製でも十分なものがたくさんあります。「どれを選べば失敗しないか」については、以下の記事で10製品以上を検証しているので参考にしてください。

これらを考慮し、結局「箱の中に何が入っていて、何を買い足す必要があるのか」を一覧表にまとめました。

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同梱物 / 機能XPPen Artist 12 3rd
(日本限定版)
Wacom One 14
(DTC141W0)
備考
ペン💙 (X4チップ)❤️ (Wacom Oneペン)どちらも付属
USB-Cケーブル💙❤️どちらも付属
HDMI接続
(DisplayPort Alt Mode非対応の場合)
💙 3-in-1ケーブル
が同梱
❌️ (別売)WacomはHDMI接続に
コンバーター必須
専用スタンド💙 (同梱)❌️ (別売)長時間作業に必須
替え芯計15本
(標準10+フェルト5)
計3本
(標準3)
実質1500円以上XPPenがお得
左手デバイス機能💙
(本体キー8個+ダイヤル)
❌️Wacomは別途キーボードか
左手デバイスが必要

※替芯(10本)の公式ストアでの価格は、Wacomが¥1,738、XPPenは¥1,500です。多少安くで手に入ることはあるかもしれませんが、XPPenに多く替芯が付属するのは嬉しいポイントです。

さらに、あなたのPC環境でそのまま使えるかを判定するチャートです。

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あなたのPC環境XPPen Artist 12 3rdWacom One 14判定
USB-C (映像出力対応) あり
最近のノートPCなど
追加費用なし
(USB-Cケーブル同梱)
追加費用なし
(USB-Cケーブル同梱)
引き分け
HDMI端子のみ
デスクトップPC、古いノートPC
追加費用なし
(3-in-1ケーブル同梱)
⚠️ 要 1.3万円
(コンバーター別途購入)
💙XPPenの圧勝
Androidスマホ
(対応機種のみ)
追加費用なし
(電力不足時は3-in-1で給電可)
※1
⚠️ 要 3A対応電源
(一般的な充電器は不可)
※2
💙XPPenが有利

※1 電源不足時は、モバイルバッテリーやPCのUSBポートから補助給電が可能です。
※2 Wacomの入力電源は「DC 5V 3A」と高出力です。一般的なスマホ充電器(1A〜2.4A程度)からの給電では起動しない可能性が高く、3A出力に対応したアダプタの確保(別途購入)がほぼ必須となります。

これらを金額換算した「真のコスト」は以下の通りです。

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項目XPPen Artist 12 3rd
(日本限定版)
Wacom One 14
(DTC141W0)
判定
本体価格29,980円39,800円表面上の差は約1万円
アクセサリ0円
(スタンド・全ケーブル同梱)
約15,200円
(スタンド+変換アダプタが必要な場合)
💙XPPenが圧倒的
合計導入コスト29,980円約55,000円約2.5万円の差額

この約2.5万円の差額は見過ごせません。
XPPenなら箱から出してすぐに環境が整いますが、Wacomを選ぶ場合は本体代金に加えて、さらに約2万円弱のオプション品を購入しなければ同じ土俵に立てないのです。

注目ポイント📌
XPPenには「HDMI接続ケーブル」と「スタンド」が最初から入っています。この「買い足し不要」という安心感こそが、XPPen Artist 12 3rd最大のメリットと言えます。

検証2:「14インチの広さ」か「プロ仕様の色域」か

液タブの画面性能と色域をチェックするイラスト。Adobe RGB 97%のXPPenと、14インチの広さを持つWacomの比較。
「広さ」を取るか、「色の正確さ」を取るか。Macユーザーや印刷物を作る人が絶対に見るべき色域(sRGB / Adobe RGB)の違い。

コスト面ではXPPenが圧倒的有利ですが、ハードウェアとしての性能はどうでしょうか。「画面サイズ・輝度」と「色域(色の表現範囲)」という、両立が難しい要素を比較します。

Wacomの武器:14インチの広さと「視野角」の優秀さ

Wacom One 14の14インチ広視野角ディスプレイと映り込み防止加工による作業環境の比較
13インチ以下とは別世界の「14インチ」という正解。Wacom特有の優れた視野角とアンチグレア加工が、どの角度から描いても色ズレのないプロ品質を保証します。

Wacom One 14の最大のメリットは、その名の通り14.0インチという画面サイズです。
対角線で約5cm大きく、クリスタなどのUIパネルを広げても描画スペースを確保しやすい広さがあります。

また、画面の明るさ(最大輝度)についても、Wacomは285cd/m²とXPPenの260cd/m²を上回っています。
さらに見逃せないのが「視野角」です。Wacomは水平・垂直ともに178°という広視野角を実現しており、XPPenの170°と比較して、斜めから覗き込んでも色の変化が少ないという明確な利点があります。寝そべりながらの描画など、画面を斜めから見る機会が多い方にはWacomの品質が光ります。

XPPenの武器:Macユーザーも納得の「色の深さ」と精度

MacBookと比較しても遜色ないXP-Pen Artist 12 3rdの色域カバー率(Display P3 97%・Adobe RGB 97%)
Macユーザーが液タブ選びで最も恐れる「色のくすみ」は過去の話。Display P3 97%という驚異的な数値が、Retinaディスプレイとシームレスな作業環境を約束します。

一方で、デザイナーとして看過できないのが「色域」の決定的な差です。
XPPenはWeb標準の「sRGB」を99%カバーするだけでなく、印刷業界の標準である「Adobe RGB」も97%カバー。さらに、MacBookやiPhoneの標準色域である「Display P3」も97%カバーしています。

  • XPPen Artist 12 3rd99% sRGB / 97% Adobe RGB / 97% Display P3 / 色精度 ΔE < 1.2
  • Wacom One 1498% sRGB (Adobe RGBカバー率は非公表)

特筆すべきは、XPPenの「ΔE < 1.2」という数値です。
これは液タブで見ている色と、印刷所に入稿したデータの色、あるいはiPhoneで見た時の色がほぼズレないという安心感を意味します。プロフェッショナル向けのカラーマネジメントモニターに匹敵する精度です。

ここに注目!「色域の瞬時切り替え」と「視差ゼロ」

XPPenのもう一つの強みは、OSDボタンで色空間(sRGB/AdobeRGBなど)を即座に切り替えられる点です。
普段は鮮やかな広色域で作業し、Web納品時はsRGBモードに切り替えて色味を確認する――といったプロのような使い方が、液タブ単体で可能です。

また、かつて廉価版液タブの弱点だった「視差(ペン先と描画位置のズレ)」については、両機種とも心配無用です。

  • XPPenフルラミネーション加工
  • Wacomダイレクトボンディング

どちらもディスプレイとガラスを圧着する技術を採用しており、ペン先にインクが吸い付くようなダイレクトな描き心地を実現しています。画面端に向かってペンを走らせると若干の遅延とズレを感じましたが、通常の使用や画面端のパレットメニューの操作など問題ないレベルです。

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項目XPPen Artist 12 3rdWacom One 14判定
サイズ11.9インチ14.0インチ❤️面積は約30% Wacomが広い
色域 (Web用)sRGB 99%sRGB 98%互角 (XPPenが僅差で上)
色域 (印刷/Mac)Adobe RGB/P3 97%非公表 (sRGBベース)💙XPPenの圧勝
色精度ΔE < 1.2 (高精度)非公表💙XPPen
視野角170°178°❤️Wacomが色の変化に強い
最大輝度260 cd/m²285 cd/m²❤️Wacomが明るい

意外な盲点?「薄さ」と「軽さ」の違い

携帯性においても興味深い違いがあります。
Wacom One 14は厚さ10mmと非常に薄いのが特徴ですが、重量は750gです。
対してXPPen Artist 12 3rdは厚さ12mmですが、重量は719gと、サイズが小さい分30gほど軽量です。

カバンに入れた時の「かさばらなさ」ならWacom、「少しでも軽く」ならXPPenと言えるでしょう。

やっぱり12インチでは狭い、14インチサイズで安いモデルも検討したい」という方は、こちらの記事でWacom One 14と同サイズ(13~14インチ)のライバル機種を比較しています。

注目ポイント📌
画面の「物理的な広さ」を取るならWacomですが、「色の正確さ(Macや印刷との親和性)」を取るならXPPenです。デザイナーにとって、後者は作業の質に直結する重要な要素です。

検証3:ペンの進化と「描き味」の正体

液タブの描き心地とペンの性能比較イラスト。X4チップ搭載のXPPenペンと、定評あるWacom Oneペンの違い。
筆圧16Kよりも大事なのは「IAF 2g」。力を入れなくても線が出る「フェザータッチ」と、紙のような描き味の秘密。

カタログスペック上でよく議論される「筆圧レベル」ですが、実はそこには注意すべき点があります。

数値上のスペック比較

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項目XPPen (X4チップ)Wacom (EMR)備考
筆圧レベル16,384 (16K)4,092 (4K) ※XPPenは1.6万レベル
IAF (初動荷重)2g非公表描き始めの軽さ
傾き検知±60°±60レベルどちらも対応
サイドボタン2個2個どちらも2ボタン搭載
応答速度25ms16msWacomが高速
付属芯計15本
(標準10+フェルト5)
計3本
(標準3)
XPPenはフェルト芯付き

※Wacomの筆圧レベルについて:公式サイトの仕様表には執筆時点で「4092」と記載されています。恐らく4096の間違いですが、公式サイトの記載通り4092と表記しています。

数字上では、筆圧レベルでXPPenが大きく上回り、応答速度ではWacomが勝っています。
正直なところ、人間の手で4Kと16Kの違いを厳密に感じ取るのは困難です。4,000レベルあれば、十分になめらかな階調表現が可能です。

しかし、XPPenの最新チップ(X4)には、それ以上に重要な項目があります。それがIAF(Initial Activation Force:初動荷重)です。

旧モデル比33%減。「IAF 2g」がもたらすフェザータッチ

XPPen Artist 12 3rdに搭載されたスマートチップペンは、IAFがわずか2gに設定されています。
旧製品の3gからさらに1g(約33%)もの軽量化に成功しており、これはペン先が画面に触れた瞬間、ほとんど力を入れなくても線が反応することを意味します。

  • 疲労軽減:長時間描いても手が疲れにくい。
  • 繊細な表現:髪の毛の毛先や、淡い水彩塗りのような「消え入るような線」が、意図通りにコントロールできる。

これまでの「海外製液タブはOn荷重(描き始めの重さ)が重い」という認識は、完全に過去のものとなりました。また、XPPenのペン先は沈み込みが0.3mmと非常に浅く設計されており、ペン先のガタつきを感じさせない安定した描き心地を実現しています。

Wacomだけの「カスタマイズ性」と、XPPenの「フェルト芯」

XPPen(日本限定版)には標準でフェルト芯」が5本も付属する点が大きなメリットです。プラスチック芯特有のツルツル感を抑え、紙に鉛筆で描くような適度な抵抗感(ザラつき)が得られます。

一方で、Wacom Oneペンにも独自の魅力があります。それは「外観のカスタマイズ性」です。
フロントユニットやリアケースを交換できる設計になっており、自分好みのカラーにアレンジして道具への愛着を深めることができます。これはXPPenにはない、クリエイターの遊び心をくすぐるポイントです。

「Wacom Oneペン」と「Wacom Pro Pen 3」は全く別物です。「Wacom Pro Pen 3」はIAF非公開ですが、国内外の検証でIAF 1gとも称されています。
しかし、本機に付属する「Wacom Oneペン」はIAF 3g程度で、やや重めの場合もある(個体差)という検証結果やレビューもあります。実際に触ってみた感じだと、私は描き比べたら分かる程度でしたが、3gが事実であれば人によっては軽いタッチが反応しない場合もあります。漫画やイラストなど線画が重要な作業においてストレスになる可能性を考えると悩ましいところです。(参考:7P Drawing tablets

注目ポイント📌
筆圧の数字(16K)よりも、「IAF 2g」の軽さが描画体験を劇的に変えます。フェルト芯が最初から試せる点も含め、XPPenは「描く楽しさ」への配慮が行き届いています。

また、どちらの機種を選ぶにせよ、液タブでの描画をスムーズにする「2本指グローブ」は必須アイテムです。1000円以下で買えるもので十分ですが、選び方にはコツがあります。

検証4:作業効率を左右する「ショートカット」と「ドライバー」

作業効率化のイメージイラスト。ショートカットキーや左手デバイスの有無が制作スピードに与える影響。
「左手デバイス」は買わなくていい。本体キーとダイヤルだけで作業が完結する、XPPenの時短設計。

液タブは単なるモニターではなく「道具」です。毎日の作業効率を考えた時、見逃せない機能差があります。

左手デバイス不要のXPPen、必須のWacom

  • XPPen Artist 12 3rd:8個の物理キー + 2つのダイヤルを搭載
  • Wacom One 14:本体にボタン類なし

この差は決定的です。XPPenなら、キャンバスの回転やズームを「ダイヤル」で、取り消しやツール切り替えを「物理キー」で行えます。
つまり、液タブ単体で効率的な作業の流れが完結します。

【実体験】「本体キー不要派」の私が考えを改めた理由
XP-Pen Artist 12 3rdのX-ダイヤル機能による作業効率化とショートカットキー活用レビュー
拡大・縮小やブラシサイズ変更が「回すだけ」で完結。左手デバイスがいらなくなるほどの爆速ワークフローを実現する「X-ダイヤル」の操作感。

正直なところ、私はこれまで「液タブ本体のショートカットキーは不要(押しにくいから)」と考えていました。かつてのWacom製品などがそうであったように、ボタンの位置が悪かったり、硬すぎたりすることが多かったからです。

しかし、Artist 12 3rdのキー配置は、その認識を覆すほど優秀です。

ボタンとダイヤルが本体の「角(コーナー)」に配置されているため、正面から描く時も、少し横から手を添える時も、指が自然に届きます。
「Wacom One 14」には本体キーが一切ありませんが、Artist 12 3rdなら、「ブラシサイズを変えたい」と思った瞬間に、視線を動かさずダイヤルで直感的に操作できます。

この「微調整」ができるかどうかが、長時間作業での疲労感に大きく影響します。もし「Magic Drawing Pad」の後継機が出るなら、ぜひこのキー配置を採用してほしいと本気で願うほど、完成された操作感です。(実際にタブレット端末には搭載されないと思いますが。そのくらい個人的に気に入っています。)

一方、Wacom One 14にはボタンがありません。効率的に描くには、キーボードを横に置くか、別途「左手デバイス(TourBoxなど)」を購入する必要があります。XPPenを選んで浮いた金額があれば、高機能左手デバイスを別途購入できます。

「1年後」はどうなる? ソフト代まで含めた最終コスト比較

Wacomには「クリスタ(Clip Studio Paint)PRO(3ヶ月)」や、PDF編集ソフト「Foxit PDF Editor(12ヶ月)」、学習用プラットフォーム「SkillShare(3ヶ月)」など、多岐にわたるバンドルソフトが用意されています。イラスト以外の用途にも配慮されているのは嬉しい点です。
しかし、これらはあくまで期間制限付きの「体験版」に近いものであり、数ヶ月後には課金が必要になります。

一方、XPPenを選んで浮いた予算で、クリスタPROの製品版(買い切り)を購入したらどうなるでしょうか?

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項目XPPen Artist 12 3rd
(日本限定版)
Wacom One 14
(DTC141W0)
① 本体 + 必須パーツ29,980円約55,000円※1
(本体+コンバーター+スタンドコンバーターやスタンドが必要と仮定)
② イラストソフト代6,400円
(Clip Studio Paint PRO 製品版購入の場合)
0円
(3ヶ月特典を利用、その後課金発生)
③ 左手デバイス代0円
(本体キー・ダイヤルで代用可)
約6,000円
(別途デバイスが必要と仮定)
乗り出し合計36,380円
ソフトがずっと使える
約61,000円
+3ヶ月後にソフト代の支払い開始

※1PCがDisplayPort Alt Mode対応のUSB-Cポートを持っている場合、コンバーター(公式ストア価格:13,200円)は不要。

買い替えを検討しているユーザーで、コンバーターやスタンド、左手デバイスが不要な場合(所持している)であれば1万円程度の差額で済みますが、はじめての液タブとしてWacom One 14の購入を考えている人は注意が必要です。

XPPen Artist 12 3rdは本体を買うだけで制作環境が揃いますが、Wacomは「本体を買ってからが課金のスタート」になりがちです。

注目ポイント📌
本体にショートカットキーがあるだけで、別途デバイスを買う必要がなくなります。XPPenは「追加出費ゼロ」で作業効率化を実現できる、非常に合理的な設計です。

検証5:結局、あなたにおすすめなのはどっち?

最終確認のチェックリストイラスト。XPPen Artist 12 3rdとWacom One 14、自分の環境に合う液タブを選ぶための判定基準。
【結論】コスパで選ぶならこっち。予算・PC環境・用途別に見る、あなたに最適な「最初の1台」の選び方。

これまでの比較を踏まえ、XPPen Artist 12 3rdの「コストパフォーマンス」を明確にしておきましょう。安さには理由があります。

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妥協した点(デメリット)得られた強み(メリット)
❌️ 画面サイズ (11.9インチ)
UIを表示すると描画エリアは狭くなる。
⭕️ 圧倒的なコストダウン
浮いた予算をPCスペックや左手デバイス、ソフト代に回せる。
❌️ ブランドの歴史
Wacomほどの長年の実績はない。
⭕️ 最新技術の投入
16K筆圧やIAF 2gなど、新しい技術を積極的に採用している。
❌️ 視野角 (170°)
Wacomより少し狭い。
⭕️ 色域 (Adobe RGB 97%)
視野角を犠牲にした分、色の正確さにコストを全振りしている。

どっちを選ぶ? ユーザータイプ別判定表

特に使用しているOSのバージョンには要注意です。

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重視するポイントXPPen Artist 12 3rdWacom One 14
初期費用を3万円に抑えたい💙❌️
デスクトップPC (HDMI) で使う💙 (ケーブル同梱)△ (変換アダプタ別途要)
Macで使う (OSバージョンの広さ)💙 (OS 10.13〜対応) ※1△ (OS 13以降が必須) ※2
画面の広さ (14インチ以上)❌️ (11.9インチ)❤️ (14.0インチ)
印刷データの作成 (CMYK/AdobeRGB)💙 (97%カバー)△ (非公表/sRGB向け)
ショートカットキーを使いたい💙 (本体にあり)❌️ (なし)
筆圧の軽さ・アナログな感触💙 (IAF 2g・フェルト芯)❤️ (標準的な描き味)

※1 XPPenは2017年頃のmacOS High Sierraから対応しており、古いMacでも動作します。
※2 Wacomは2022年リリースのmacOS Ventura (13.0) 以降が必要です。

Wacom One 14 (DTC141W0) がおすすめな人

予算よりも「物理的な広さ」と「モニターとしての基礎体力」、そして「道具としてのカスタマイズ性」を最優先する場合です。ただし、PC環境が新しいことが条件です。

  • とにかく14インチの画面サイズが欲しい人。
  • 視野角の広さ(178°)や、本体の薄さ(10mm)など、ハードウェアの形状・品質にこだわりたい人。
  • 比較的新しいMac(macOS 13以降)またはWindows 10以降のPCを使っている人。
  • PCがDisplayPort Alt Mode対応のUSB-Cポートを持っており、追加ケーブルなしで接続できる人。

「Wacom以外も含めて、14インチサイズの液タブをもっと比較したい」という方は、同サイズ帯のライバル機を徹底比較した以下の記事も参考にしてください。

Wacom One 14を選ぶ場合、旧モデルとの違いや、タッチ機能の有無などで迷うかもしれません。以下の記事でWacom Oneシリーズを深掘りしています。

XPPen Artist 12 3rd がおすすめな人

「コストパフォーマンス」と「プロレベルの機能性」を賢く手に入れたいすべての人です。特に古いMacを長く愛用している方には最適です。

  • 初期費用を抑えつつ、追加出費なしで全ての機材を揃えたい人。(実質コスパ最強)
  • 少し古いMac(macOS 12以前)を使用していて、最新の液タブを使いたい人。
  • 将来的に同人誌・グッズ制作やiPhone/Macでの制作も視野に入れており、色が正確なモニター(Adobe RGB 97% / Display P3 97%)が欲しい人。
  • 「IAF 2g」の軽いタッチや、「フェルト芯」のアナログな書き味を試したい人。

XPPen Artist 12 3rdの詳細はこちらの記事で、どこよりも詳しく解説しています。

【総まとめ】コスパ最強の称号はどちらに?

最後に、両機種の違いをスペック表で総ざらいしましょう。対応OSの違いは要チェックです。

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項目XPPen Artist 12 3rdWacom One 14判定
実勢価格29,980円39,800円💙 XPPen
画面サイズ11.9インチ14.0インチ❤️ Wacom
本体の厚さ / 重量12.0mm / 719g10.0mm / 750g引き分け
色域 (Web用)sRGB 99%sRGB 98%💙 XPPen
色域 (印刷・Mac)Adobe RGB 97%
Display P3 97%
非公表💙 XPPen
色精度ΔE < 1.2非公表💙 XPPen
最大輝度260 cd/m²285 cd/m²❤️ Wacom
視野角170°178°❤️ Wacom
筆圧レベル16,384 (X4チップ)4,092💙 XPPen
最小ON荷重2g非公表💙 XPPen
応答速度25ms16ms❤️ Wacom
付属ケーブルUSB-C + 3-in-1USB-Cのみ💙 XPPen
付属スタンドあり (折りたたみ)なし (別売)💙 XPPen
対応OS (Mac)macOS 10.13 以降macOS 13 以降💙 XPPen
対応OS (Win)Windows 7 以降Windows 10 以降💙 XPPen
XPPen Artist 12 3rd
総合評価
( 4.5 )
メリット
  • スタンド・全ケーブル同梱で追加出費ゼロ
  • Adobe RGB 97%で印刷・Macの色も安心
  • IAF 2gのフェザータッチ+フェルト芯付属
  • 本体キー&ダイヤルで左手デバイス不要
  • 古いMac(OS 10.13〜)でも動作する
デメリット
  • 11.9インチで画面・描画領域が狭い
  • 視野角(170°)がWacomより少し狭い
  • 最大輝度が少し低い(室内なら問題なし)
Wacom One 14

Wacom One 14は、14インチというサイズ感、そして視野角の広さや薄さといった「モニターとしての品質」は優秀です。しかし、プロとして必須級の機能(広色域、スタンド、ショートカット)が削ぎ落とされており、特にHDMI接続が必要な環境では約1.3万円のコンバーター代が重くのしかかります。

XPPen Artist 12 3rd

対してXPPen Artist 12 3rdは、約3万円という価格の中に、プログレードの色域(Display P3対応)、効率化機能、そして必要な周辺機器のすべてが詰め込まれています。さらに対応OSの幅広さも魅力で、古いPC環境でも安心して導入できます。
現在、エントリーモデルとして最も賢い選択肢は、間違いなくXPPen Artist 12 3rdです。

注目ポイント📌
🏆 最終結論:総合力と圧倒的なコストパフォーマンスでXPPen Artist 12 3rdに軍配が上がる。
🚀 ステップアップ:XPPenなら、プロになっても「色確認用のサブ機」や「持ち運び用」として長く活躍できる。
🛒 購入時の注意:XPPenを購入する際は、付属品が充実している「日本限定版」であることを確認しよう。


この記事の制作プロセスについて
CreateBitの記事は、「AIをクリエイティブな時間を確保するためのパートナー」として活用し、すべて筆者の最終的な責任のもとで編集・公開しています。CreateBitのAI活用とコンテンツ制作に関するより詳しい基本方針は、こちらのページでご覧いただけます。

免責事項:本記事で紹介する情報は、筆者が調査した時点のものです。製品の仕様、価格、サービスの機能は将来的に変更される可能性があります。最終的な判断は、必ず公式サイトの一次情報を確認の上、ご自身の責任で行ってください。

📚 参考ソース

▼ 予算を上げてスペックを追求するなら

▼ 他のエントリーモデルとも比較したい

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この記事を書いた人

元デザイン会社のディレクターです。クリエイティブ現場で役立つ効率化のコツ、便利なサービス、海外デザイン素材を紹介。AI時代のクリエイターの新しい働き方を深く掘り下げていきます。

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